2012年11月21日水曜日

雑感

 早起きする日が増えたので夜更かしは貴重だ。

 クニユキ・タカハシの新作が出て、やはり素晴らしい。[mule musiq]だと12"でのリリースが基本になっているようだが、ぜひともLPでリリースしてほしい。
 クニユキさんのアルバムは毎度質が高いのだけれど、それを楽しみきれない自分がいた。あらゆる音に気を配っている作品だから、聴く側にもある程度の姿勢が求められると思う。しばらくその姿勢が作れないでいた。反省。

 全くもってプロフェッショナルではないが、DJツールとして音楽を聴いてしまうことがままある。その聴き方自体は、実はとても面白いもので、音楽が感情へ作用する経過を楽しむ聴き方をするときとは少し違った魅力をその音楽に見つけることが出来る。
 もちろん(僕にとっては)デメリットもあって、曲の音色がすぐ別の曲の音色を想起させてしまうせいでその音楽の魅力を発見できないことがある。パーカッションの音やギターの音から「あの曲とつなぎやすそうだな」などと思っている時には、「その曲を聴いていない」ことがたまにある。ツールとして聴いていて、そうしたつなぎやすさみたいなものを見つけられない時はやはりつまらないもので、それが曲自体がつまらないという判断に至ってしまうことがある。それこそつまらないことだ。

 郵便ポストを見て「赤い」と言ったとして、それは他人と同じ色を見ていることにはならない。それは音楽も同じで、むしろそうした傾向が顕著であるから、同じ曲を聴いていても聴こえない音が聴こえて、聞こえる音が聞こえないということは大いにあり得る。それは一人の人間の中にも起こりえることで、様々な側面から音を聞くことで音楽体験はより豊かになる。

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