頭の回転はどんどん鈍るし、言葉遣いも錆びる。大切に使わなければいけないけれど、現状は納屋に置いておいたら赤茶色く錆び上がっていたという感じ。ここ1-2年はそんな感じだ。
妻と藤子F不二雄ミュージアムへ出掛けた。一度いったことのある施設なので、変わっていないところはさっと見て、食事や買い物に時間を割いた。
そういえばシアターでの上映内容が変わっていた。 上映後にサプライズがあるのだが、以前よりも盛り上がらなかった。リピーターが多いのだろうか。以前は驚き、またその驚かせ方が心地よかったのでわかっていながら楽しみにしていたのだが、少々残念だ。スタッフの方にとってはサプライズでもなんでもなくなっているのだろうけど、盛り上げてほしい。
ミュージアムにて全集の『モジャ公』を購入した。これが面白い。天野空夫くんがモジャラとドンモとともにポンコツ宇宙船で宇宙を旅するSF作品。
どたばたギャグが基本路線なのだけど、死んで魂だけになった人々の星や10000年間人が死なず、自殺が一大ショーになってしまう星など、テーマが骨太なのだ。F先生の荒ぶる知性が静かに脈動している。30代の僕が夢中になってしまった。
オットーという詐欺師がいい。とても深みのあるキャラクターで、僕もまだ消化できていない。
掲載誌は小学低学年向けのものだったそうだが、当時の小学生は豪勢な漫画を読んでいたのだなと思う。不謹慎さはなかなかのものだ。
当時、これが子ども向けの雑誌に掲載できたのは、今とは少し異なるリテラシーがあったからだと思う。それはF先生にももちろん共有されていて、自殺の話もカラッとしている。漫画を読んで実際それを真似して自殺するという風にはならなそうだ。「漫画の真似をしてバカな真似をすると本当にバカだと思われる」というか、「類似の事件が起こっても、少なくとも漫画のせいにはならない」というような価値観が備わっていなければ、危険な内容かもしれない。
それはまた、サカキバラ事件で宮下あきらの漫画のタイトルが引用されたときに、なぜ「サカキバラはただにバカだ」と言えなかったのか、という問いにもつながる。この辺はオタクの存在云々で散々語られていそうだけれど。
ジャンプコミックスの『暗殺教室』を読んだ。担任の暗殺を目指すことで教諭と生徒がつながる。面白いので昨今の中学生には是非真似をせぬようお願いしたい。もし仮に生徒が教諭を一斉射撃する事件が起きても、その生徒たちを危険視せずに心底バカにするようにしたい。
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