『呪術廻戦』の舞台が渋谷で、息子が興味を持ったようです。渋谷に行きたいと冗談混じりに言っていたので「じゃあ27日に行こうか」と誘いました。
息子が「通勤ラッシュを見てみたい」などとナメたことを言うので早めに出発しました。ラッシュ想定から1時間くらいずらしましたが。次第に増える乗客に少し驚いてはいたようです(「駅員さんがぎゅうぎゅう押し込むのを想像していた」とのことでした)。
9:00台に新宿に到着しました。その日はベイ◯レード(謎の伏せ字)の新商品が発売される日だったので先に新宿に寄りました。玩具店(大型電気量販店の別館)は開店前から人が並んでいて商品の人気を思い知らされました。行列はそのまま新商品の購入者でした。大人が遊ぶものではないし、どう見ても「良いパパ」はいなそうでした。くだらん転売行為をしていないことを願います。先に買いに来て正解でした。
渋谷では事前に検索した箇所を複数チェックしました。「聖地巡礼」は思っていた以上に楽しめました。作品に思い入れのない私でも楽しかったのでファンならなおのことでしょう。また『呪術廻戦』のアニメのクオリティの高さがロケ地巡りの楽しさを倍増させていると思います。で、10:00台にメインイベント(聖地巡礼)が終わるという事態に。
「何か飲み物が欲しい」と息子が言うのでカフェに入りました。コーヒーとミルクティを飲んで休憩。池袋に多肉植物の有名店があったのを思い出し息子に行っても良いか許可を取りました。この時点でまだ12:00前。いやー、早起きはいいものです。
山手線で池袋へ。改札へ向かう"感じ"で以前の感覚を取り戻してしまい(笑)、ちょっと以前の職場を覗いて見ようという気になりました。駅から程近くにあるCD店が私が8年ほど勤めた職場です。SNSで見たか、人から聞いたかは覚えていませんが、かつて2フロアだったのが今では1フロアに縮小していることは聞いていました。そういえば店舗規模が縮小してから行くのは初めてかもしれないな、と考えながら店へ向かいました。
まず驚いたのはかつての休憩室の場所がバックヤードになっていたことでした。それから昔は外にあったガシャポンが店の中に引き込まれて店内はさらに狭く。店の規模が小さくなった分コンパクトで魅力ある工夫、みたいなものは感じることができず、ただ縮んでしまっただけに見えました。今も働いてらっしゃる方がいるからあまり悪様にいうのも良くないのですが、見るべきものなし。清々しいくらいに無意味な空間でした。
必要とされていない場所なんだな、と感じました。客がいなかったわけじゃないし、そもそも家賃もあるだろうからそれなりに売上も立ってはいるはずですが、少なくとも私が在籍していた頃よりはその存在意義を失っていました。
少なからず衝撃的でもありました。つい最近行ったモトリー・クルーも盛況でしたし音楽業界もまだまだ盛況だななどと思っていました。これは本当に現場に行って見ないとわからないことです。SNSでは全く気付くことができない衰退でした。
実は店を出てエスカレーターで降りながら「縮小後に訪店したのは初めてだったな」と気付きました。これだけしょぼくなっていれば流石に記憶に残ったはずです。
とはいえ新人さんらしい姿もあり、なんだかんだまだ続いてもいます。なんか、新人さんには「本来はもっとエキサイティングな空間だったんだよ」と言ってやりたい気分にもなりましたがこういうのを老害というのでしょう。
老害。結局は自分も文化を保護せずに遺産を貪っていたにすぎないという事実を突きつけられました。時代の流れと言ってしまえばその通りなのでしょうが、十余年前に私たちが「この面白さを次の世代へどのように引き継げば良いか」と考えていたならばもっと違った未来もあっただろうと思います。老害とは将来への視点を持たずに文化遺産を食い潰したベテランのことを言うのでしょう。ただ、次の世代を見据えるにはあまりに給料が安かったです。
恥ずかしい話だが、ここで働いていた夢を年に数回見てしまいます。正確には今の自分がまた当時の店に出戻るという設定ですが。夢を見るたびに「今の仕事が面白くないと思っているんだろうなぁ」とか「現実逃避だよな」とかの自己嫌悪に苛まれます。しかしこれで夢を見ることもなくなるでしょう。もうあそこに私の居場所など全く残っていませんでした。その点ではほっとします。けど「行かなきゃよかった」とも思いました。甘美な自己嫌悪というのもあるのです。
息子には「若いうちにこういう都会で働くのも楽しいよ、疲れるけどな」と言っておきました。
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