2014年1月23日木曜日

菜根譚、その四。

まだまだ音楽のことは書きません。

・四
勢利紛華、不近者為潔、近之而不染者為尤潔。
智械機巧、不知者為高、知之而不用者為尤高。

勢利紛華は近づかざる者を潔(キヨ)しとなし、これ近づきて而も染まざる者を尤も潔しとなす。
智械機巧は、知らざる者を高しとなし、これを知りて而も用いざる者を尤も高しとなす。

・権勢名利や豪奢華美のたぐいに、近付かないように心掛ける者は潔白な人である。然しそれらに近づいても、その悪習に感染しない者こそ、最も潔白な人物である。
権謀術数のたぐいを全く知らない者は高尚な人である。然しそれを知っていても、自分では用いない者こそ、最も高尚な人物である。

知らないことはいいことだ。だが知らないと気付かず"それ"に染まってしまうおそれがあります。
坊さんなんかに「豪奢華美のたぐいに近づかない生活こそ、豪奢で華美な生活ではなかろうか」などと喝を入れられてしまいそうです。だんだん話が逸れて行きますが質素な田舎暮らしなんて、我々は結構憧れてしまいそうで…が、ここでは余談です。

二】とは微妙に矛盾もしているのですが、「礼節や機智を知っていて、かといってそれらを濫用しないのがベスト。礼節などをやたら振りかざして必要以上に慇懃な態度を取るくらいだったら、気が利かない方がマシ」といったところでしょう。

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