何と言ってもオランダが最後の交代枠をキーパーどうしの交代に使ったことです。キーパーとキーパーが交代するシーンを初めて見ました。
ツイッターのリアクションが気になって見てみると、「オランダのレギュラーのGKは公式戦で一度もPKを止めたことがない」とのことで、そうしたデータに基づいて交代がなされたわけです。
データ管理はわかりますがそこからキーパーの交代を予め計画することに驚きます。
PK戦はそれまでの試合の流れからある程度独立していると思います。ですからPK戦だけのためにキーパーを交代させることは合理的な戦術だと思われます。
120分間ゲームに参加し疲労して集中力が落ちたプレイヤーよりも相手チームのPKのデータをバッチリ頭に叩き込んだ、気力の充実したプレイヤーを投入した方が良い結果を期待できそうです。PK戦という特殊なケースでは特にそうでしょう。
またキーパー交代は必ず相手へのプレッシャーになります。これもやはり特殊な状況では効果的な奇襲になったと思います。
いっぽうで試合途中でキーパー以外の選手を交代させて勝利するというチャンスは減るし、守備陣の体力次第では敗北のリスクさえあります。
ファン・ハール監督はどの段階でこの決断を下したのでしょうか。途中で投入したレンスの不発を見て、でしょうか。それだったら尚更交代カードを切りたくなるはずです。
ひょっとしたら延長後半以降にやっと決断したのでしょうか。
いずれにせよ久し振りに"指揮官"を見ました!
日本×ギリシャでの最後のパワープレイの悲愴さとは対照的でした。日本の「ここいちばんで奥義(笑)を出しちゃうメンタルの脆弱性」は思い当たる節があって、どうしてそういう思考回路に至るのか逆に興味が湧いていましたが、これも早朝の名采配の前に吹っ飛びました。
日本の奥義信仰はセルフハンディキャッピングの変形でしょう。もうそれでいいや。
それよりはオランダの驚愕の周到さに感心するばかりです。
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