僕は彼の熱心な読者ではないけれど戦争に関する著作も多く興味を持っていました。
"ヒットラーのように「鼻ひげ」をはやそうと思ったが、十八才では無理だった。しかし東條首相が当時ヒゲをはやしていて、日本のヒットラーになろうとしたようだが、運悪く戦争は敗けた。いずれにしても当時のヒットラーさんは格好が良かったネ。
やたら右手を上げては戦争に勝ってはいたが、無理な戦争だったとみえて最後は自決だた。人間あまり無理をしちゃあいかんネ。"
(『復刻版劇画ヒットラー』あとがき「ヒットラーさん」)
当時においてヒトラーはかっこ良かったというご意見がやはり貴重だと思います。なんだろ、チェ・ゲバラみたいな?
こういう素朴かつ率直な意見があると当時の雰囲気がまた違って見えてくる気がします。とても貴重だと思います。
そして「運悪く」とか「無理をしちゃあいかん」とか。同じあとがきで「ロシヤと一戦を交えるというのは、今から考えると、自分の力も考えずに対戦したという感じ」と書いていて、この人のバランス感覚の面白さがうかがい知れます。
こういう貴重な意見が聞けなくなることはとても寂しいです。
戦争を題材にした作品が多いものの、水木さんに戦争に関する確たる思想、みたいなものは多分ないと思います。戦争に対する考え方は死んだうちの爺さんと同程度のものだと思います。
だから、特に左翼ども、よく聞けよ。あんまり精霊を政治利用するんじゃないぞ。
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