TOTEBAGZ 『Toteally Techno Trone』

Totebagz ‎– Toteally Techno Trone (Discogsのサイトより)

アンドリュー・ホッジ(でいいのかな: Andrew Hogge)ことLOVEFINGERSが主宰する[ESP Institute]からリリースされた作品です。ということでええ湯加減のディスコフィーリン溢れるトラックかと思いきや、地獄のようなミックス作品です(笑)




当時、この作品を仕入れたりしてたんですが、一聴した感想「これはマズいものを仕入れてしまった」でした。売れる気がしませんでした。[ESP〜]に騙されたと思いましたよ。

っつってもほっとくわけにも行かず、サンプル盤を聴きながら帰途についたんですが、どんどん世界がねじれていくような物凄さにバイブスがメルトダウンしましたね。「これはすごい！」と。売れる気は依然しませんでした。

コズミック感漂うアンビエントからオールドスクールなエレクトロを想起させるチープなリズム、から次第にアシッディにテンションが上がっていくんですが、めくるめくバッドトリップという風情で、これはもう2010年度版"悪魔の沼"ですよ。あるいは音で描いた『高丘親王航海記』。

あえて抽象性を放棄せず、ぐにぐにとねじれ、歪んだダンストラックをねっとりミックスする感覚が素晴らしいです。フィジカルでなく深層でダンスに興じる趣。

サイケデリックという評価でいいと思うんですけど、サイケ以上の得体の知れない何かが横溢しております。

書いても書いてもこの作品の魅力、というか悪夢感について書ききれないです。

ちなみに案外売れました。みんなヒドいの好きなんですね。