2019年11月11日月曜日

今さら小選挙区制について調べた。

気にはなっていたんですけどかったりいなぁ、と。

・小選挙区制って何よ

1選挙区から議員1名を選出する選挙制度。2名以上選出の大選挙区制に対する語。
(https://kotobank.jp/word/%E5%B0%8F%E9%81%B8%E6%8C%99%E5%8C%BA%E5%88%B6-79448)
僕が住んでいるのは"神奈川16区"にあたり、そこから1名の衆議院議員が選出されます。自民党・義家弘介氏と国民民主党・後藤祐一氏が争っていますね。

それ以前はどうだったかというと通称「中選挙区制」でした。2名以上は大選挙区制というべきですが、「それ以前の大選挙区制の時より一つの選挙区から選ばれる議員が少ない」というニュアンスを含んでいます。

・小選挙区制のメリット

まずはメリットをおさえておきます。

デュヴェルジェの法則ってやつがあるそうですよ。いやー、フランス人の名前ってのは口に出すだけで頭が良くなった気がしますね(余談)。

デュヴェルジェの法則とは。要約すると「小選挙区制は二大政党制を生み出しやすい」です。1選挙区から議員1名、ですから自分の票を「死に票」にしたくないという心理から当選に近い有力候補に投票するようなります。
神奈川16区ではメンツ的に進んで死に票入れてる人も多そうですが。最有力の人かそのライバルか。ということで二大政党制に近づいていくと。メリットの一つは有力候補が当選しやすいので政局が安定しやすいという点です。

「政権交代可能な二大政党が必要」

それから従来の中選挙区制に比べておカネがかからず、政治不信を払拭できるというのもメリット、というか導入の要因と言えます。
(メモ)中選挙区がもたらす最も顕著な効果は、個人票と利益誘導の助長である。議会での過半数を目指す政党は一つの選挙区から複数の議員を当選させなければならない。同じ政党の候補者と戦わなければならない候補者にとって、政党の政策は相手候補者と同一であるため、集票活動の重心を政党においてもあまり効果は期待できない。結果として、再選を第一に考える候補者の集票活動は利益誘導に傾く。また候補者はこの利益誘導による集票達成の手段の一つとして、選挙区に個人後援会を組織し、それを選挙母体とする。さらに、個人票と利益誘導中心の選挙は政党の団結を弱め、党内派閥の影響力を増大させる。アイルランドの単記移譲投票制度は日本の制度と似ているため、両国では、個人候補者の地域地盤の重視、二世議員の増大、激しい党内競争などの共通の現象が見られる。『政治学辞典』(メモ)

そもそも中選挙区制の問題点とはどのようなものだったのだろうか。細川内閣で内閣総理大臣特別補佐を務めていた田中秀征氏は「(略)様々な組織をつくり、スタッフも必要になるので、お金もかかってしまう。祝電や弔電だけで、ものすごい額のお金が必要だった」と振り返る(https://times.abema.tv/posts/3082636)

中選挙区制の時には同じ党から複数の候補者が立候補しました。ですので政党内に党派ができる、選挙戦にカネがかかる、族議員などの問題を孕んでいました。
特に「政治とカネ」ということで国民の政治不信が高まり、政治家改革が急務でした。その一つが小選挙区制だったと言えます。

「リクルート事件に端を発する政治不信から、"政治改革"がものすごくもてはやされた時代だった。しかし議論を重ねるうちに、政治改革=選挙制度を変える、小選挙区導入という形に矮小化されてしまった」
族議員て今考えるとあんまり悪い気もしないですねぇ。中選挙区制だと政党からの協力が得にくいから特定の団体からの支持を得ることが重要になるわけで、その団体の利益を誘導するのが族議員です。

・小選挙区制のデメリット

・死に票が多くなる。
各選挙区で当選した人以外に投じられた票は死んでます。
各地区1000人だとして
・地区A 当選500、落選300、落選200
・地区B(ちくび) 当選400、落選300、落選300
・地区C 当選850、落選100、落選50

トータル3000票。当選した人が獲得した合計が1750票。全体の58%。これで民意を反映していると言えるのかと。
現実はもっとグロテスクです。
52.7%という戦後最低の投票率と、48%の得票率(295小選挙区の有効得票総数に占める自民党候補全員の総得票)で76%の議席を占有できる(自民党は295小選挙区で223の議席を獲得)という小選挙区制の“マジック”だった(https://mainichi.jp/articles/20150105/dyo/00m/010/021000c)

・政治家の質が低下する
これは舛添さんの記事によります。
政治家の質を劣化させた小選挙区制を廃止せよ

  • 政党内での争いがないので政策を磨くということをしなくなった。
  • 政策が相容れないのに当選するために大政党から立候補してしまう→政策への監視がより低下する
  • 政党に集票を依存してしまう。

ということだそうです。中選挙区制だと自分で集票せざるを得なかったために強固な後援会、政策の勉強が不可欠だったというわけですな。まあ、強固な支援団体が「政治とカネ不信」につながっていたのでもありますが...。

・二大政党制が案外実現しない
これは現状を見ての通り。一強多弱ですね。メリットの打ち消し

じゃあどうすんのまでたどり着きませんでした...。


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