2019年12月14日土曜日

桑田つとむ『This Is My House』

家のCD棚を漁ってカーステレオで聞くのが楽しいです。そんな中、"再発掘"したのは桑田のおっさんのアルバムでした。




流行っているもの、流行るものを作ろうと言う意識はほぼない、ハウスの音を借りた"説教"、と言うのが本作でしょう。故に10年やそこらの風説にはびくともしません。


と言うのも本人が80年代にシカゴで浴びた「洗礼」をモダナイズしているわけですから、産まれた時から個展の風格が備わってしまっているわけです。

ハウスとはなんぞや、という問いに対する最良の回答の一つと言えるでしょう。なんせ奇跡的に全曲が最高にかっこいいです。M2はややインタールード的だから8曲を4枚の12"でリリースしたら余裕で全購入(各2枚)レベルです。

冒頭からパル・ジョーイ"Party Time"と同じサンプリングを使用してハウスの歴史に軽くご挨拶。サウンドはオールドスクール(85年-87年くらい)のシカゴハウスを彷彿とさせるのですが、音の張りがナウいっす。決してただの懐古ではない故に興奮させてくれるのだと思います。ただの懐古であればマーシャル・ジェファーソンを聞いていればいいわけですから。

特に後半はシカゴハウスへのオマージュを通過して新たなクールネスに到達しています。M4でぶちあげた後のギターの単音サンプリングでぐいぐいグルーヴする"Break 4 Happiness"。たまらんですな。
そこからピアノが輝く”When Everything Is Magic"! ハメに来る"Room Wrecker"、そしてあまりに美しいラスト♡...タイトルの"Beautiful Saturday"の単語の並びに溢れるロマンティシズムでもう昇天を禁じえません。

うまい言葉を見つけられないでいるのですが、ハウスとかディスコに「ロック」が潜んでいる代物はだいたい極上なんですよ。
ものの表現で「それってロックじゃん」とか言っちゃうの大嫌いなんですけど、そうとしか言いようがないんですよね...。

で、この作品にはやはりロックの奴が潜んでいて。なんだろ、ストリートのルードな感じ?
いや、ここ数日ずっと聞いていて「なんでこんなにかっこいいんだろう」とずっと思ってます。

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