内田樹さんが今回のコロナウィルスパニックにおいて「ジャストインタイム、在庫ゼロの体制は非常時に機能しない」とおっしゃった。
これは本当にそうで、僕も今年しみじみ味わった。というのも職場の施設が壊れたがそれの修繕にあたる人が数ヶ月にわたって確保できなかったのだ。少数精鋭といえば聞こえはいいが、ただの貧乏性なのだ。
おかげでそこは使えずに忙しさのピークを迎えるというジョークを堪能できた。
佐々木俊尚さんだったか、今のミニマリストの生活はネット環境の充実に拠っていることを解説した。自宅に備えがなくても必要な時にネットでそれを手配する。
サブスクリプションサービス。例えば工具が必要ならそれを購入・保持するのでなくてレンタルする。
賢いライフスタイルだがネット環境が悪化したり、急に工具の需要が高まってしまうと途端にそのスタイルは頓挫する。
これも言い方ひとつではある。普段滅多に使わない工具を所有して場所を占有するデメリットを甘受するとか、その場所を使わないことで得られる広々とした雰囲気とか、優先するの事柄は人それぞれだ。
僕はいまだに丸のことか欲しい(笑)のでなかなかそれに馴染めないでいる。
だが今回の混乱は「備えておく」ことの大切さを市民に知らしめた。備蓄なんて、平時においては無用の長物どころか維持に費用のかかる金食い虫だ。だがそれは非常時に価格以上の価値を持って輝き出す。いや、輝かないでホコリを被ってる方がいいんですけどね。
この「とりあえず備えておくこと」をスマートに表現する言葉はなかなか出てこない。だってそれは普段は無駄で、全然スマートじゃないからだ。
でも、にもかかわらず、備えておくことは大事なのだ。
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