2020年11月3日火曜日

アフター

covid-19に対する混乱の中における自分の気持ちを書き始めて、いつの間にかやめてしまった。

そんな中、友人Nが酒を片手にアップするインスタが良いので少し書いておく。

Nの投稿で特に気に入ったのは"掻き消された"の文言。今、お互い『天国酒場』を読んだ後というのあってNの目線に共感できてしまう。

いい意味でも悪い意味でも時代に取り残されたものに目を向けて酒を片手に街を彷徨う。彼の目はいつも取りこぼされ、はみ出て、掻き消されたものに向けられている。

僕はその画像と文章を読んで「アフター・ザ・ヒート」という言葉が脳裏に浮かんだ。

暑さのあと、という直訳でいいのかしら。それは温度の高さという暑さだけでなく、熱狂・狂乱のあとというイメージを勝手に重ねている。"祭りのあと"なんて言ってみると情緒のある寂しさが漂うが、もっと冷めた、醒めた感じだ。

バブル時代の分厚い肩パッドを見て「思い返してみると、あの肩幅はなんだったんだろう」という感じ。違うか。

僕たちは今、何度目かの狂乱のあとを生きている。アフター、アフター、アフター、アフター、のあとの風景だ。燃え滓を何度も燃やしてプスプス言っている黒く焼け焦げた塊を、醒めた目で見ながら酒をあおっている。それがアフターコロナの心象風景だ。



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