2021年1月3日日曜日

 初夢は学友の不倫だった(

雑踏で呼び止められる僕。声の方へ顔を向けると学生時代の友人だった。連れているのは妻、ではない女性だった(加藤あいあたりを想像していただくと夢に近い)


これはあれこれ聞いてはまずいか、と思ったが「いやむしろ茶化した方が後腐れがないか」と思い直し僕は「え、なに? 今その娘と付き合ってんの?」などと質問した。


聞くと観劇の帰りだそうで、「演劇好きではよくあること」と二人とも弁明を繰り返す。"よくあること"とはつまり恋人やパートナー以外の人と連れ立って観劇すること、がよくあると。


なんとも言えない夢を見た。不倫願望か? いやむしろ夢の中とはいえ気まずい質問をした自分に成長を感じる(初夢なので前向きに捉えておく。


J.G.バラード『コカイン・ナイト』をやっと読み終わった。

精神安定剤で眠らされたリゾート地を犯罪という刺激で甦らす。ミステリー仕立ての濃密な作品だった。

完璧な安全を目指して街全体をセキュリティシステムの管理下に置く、という考え方は映画やらなんやらで何度か見たことがある。牢獄、しかも内側に鍵の付いた牢獄。確かそんな描写が作中にあったと思うけど、確かに安全の確保をとことん突き詰めて行くと自ら牢屋に閉じこもるのがいちばん安全ということになる。

あらゆる驚きや不安を取り除いた結果、人はただ死を待つだけの存在に成り下がる。そこに犯罪というカンフル剤を投入することで精神を賦活させる...馬鹿げているようで妙なリアリティがある物語だった。


「宗教は今必要だったけどもう遅い」みたいな表現もハッとさせられた。その代わりに犯罪が行われるという。


この、精神的な牢獄に自らを閉じこめるという行為を、僕たちはけっこう普段からやっているような気がする。なんとなく、バラードの思い描いた世界にハマってるような気がする。

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