2021年2月25日木曜日

  僕が尊敬してやまない音楽系ブログの執筆者が音楽サブスクリプションは利用していないと仰っていて、意外に感じた。ちょっと嬉しい。やっぱ音楽の聴取体験とパッケージは不可分て人はまだまだいるのですよ。

 その方は仮想通貨の取引も行っている。たぶん。僕は仮想通貨はなかなか手を出せないままでいる。だってあれ価値で価値を買い、価値を売るっていうもんでしょ。違うのかしら。想像しただけでその不毛さにげんなりしてしまう。リアル通貨だって紙に価値を上乗せした仮想の代物なのに、その紙すらないっていうのは。ペーパーレスと言えばそれまでなんだけど、うーん。いったい何を交換しているのだろうか。

 ここで老人は懐古する。ほんの15年前までレコードなりCDがなければその作品に触れられなかったのに、ネット内での音楽流通の進化は目を見張るばかりだ。「実際にものが無ければその音楽作品に触れることが出来なかった」ということも想像しにくくなっているくらいだ。

 今が音楽を掘るには最も良い環境だと若い音楽家はインタビューで語っていた。確かにそうとも言える。

 こないだラジオで一日中ハードロック・メタルをかけまくる番組が放送された。ディスクジョッキーはマサ伊藤。伊藤氏はそれこそフィジカルメディア全盛の時代を生きた人だ。彼のヴァン・ヘイレンを語り倒す調子に不覚にも感動した。

 マサ伊藤は羅針盤で音楽サブスクリプションは大海、みたいな比喩で僕のもやもやは多少晴れる気がする。あるいは音楽評論家は海図か。海図がない航海はかっこいい。が羅針盤のない航海は無謀だ。とかなんとか考えて眠りに就く。

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