2021年2月13日土曜日

  森喜朗氏が女性を蔑視する発言をし、当初は辞任を否定したもののIOC方面のスポンサー(NBCだっけ.五輪の放映権持ってるとこ)が発言を問題視、8日を経て辞意を表明した。後任は川淵三郎氏が有力視されていたが森氏の指名という決まり方がやはり問題(になりそげ)で川淵氏は固辞するらしい。


 これに関して世界陸上で入賞経験のある為末大氏は「沈黙は賛同」として森発言への反対を表明したが、後出しジャンケン的だとして一部から批判されている。


 僕は為末氏の著書が割と好きなので今回のその言動をそれほど問題だとは考えなかった。


 そして森氏への反発、東京五輪の中止を匂わす意見には"ウイグルの問題"がつきまとう。森氏の差別を断罪するのなら、新疆ウイグル自治区における人種差別も許すべきではない。そこから、「差別を理由に東京五輪開催に疑問を呈すのであれば、北京冬季も当然反対しますよね。なんで北京五輪には言及しないんですか」という主張に発展する。


 感覚としては、森を糾弾するならウイグルも糾弾しなければならないという主張はひどくナイーブに過ぎると思ってしまう。


 実際のところ森氏への批判には「コロナが解決してないのに『打ち勝った証として』五輪開催なんて言うのはおかしい」という主張が混じっている。多分だけど。単に女性差別を問題視しているわけでなく、そもそも五輪開催自体を疑問視している視点も一緒くたになっている。たぶん。これは別に語られるべきだろう。


 「女性差別にコロナ問題が混じっている」点を指摘して糾弾するのは妥当だと思う。だが、「女性差別を語っているのにウイグル問題を語らないのはおかしい」というのは、ちょっとおかしい。僕が引っかかっているのはここかな、と思う。割と程度の低いマウンティングだ。


 間違ってはいないけど、「正しいだけ」だなとうんざりしている。

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