2023年6月22日木曜日

 この頃はSNSで盛んに氷河期世代、ロスジェネが話題になっている。大体だけど1970年~1984年生まれを指すそうだ。

 私もロスジェネだ。私はこの呼称自体もヘミングウェイ世代からパクってきたものなので情けないと思っているが、自分達の世代の呼称さえも借り物というのも一興ではある。

 この世代の先頭集団が50代に差し掛かっている。結婚・子育てを諦めた世代がいよいよ老人化するので脅威になっている。

 最近になって「ロスジェネは優秀」という言説が見られるようになった。これは意外だ。数年前は「私に責任を負わせないでくれ」とか言っちゃう連中という扱いだったのに。これには理由があって、就職難によってキャリア形成が出来なかったためというのがひとつ。責任を負う経験自体が乏しいのだ。それから、ブラック企業での悲惨な経験が責任を忌避しているためでもある。

 どちらかと言えば使えない世代という評価だったはずが、気付けば「優秀」と再評価されるようになった。また就職氷河期は国策の誤りであるから手厚く保護すべきという意見も増えた。掌返しというよりは、そういう評価の仕方がトレンドなんだろう。歴史上の人物の評価が時代によって変遷するような感じ。明智光秀とか裏切り者から懊悩する人格者みたいになった感じだ。

 氷河期世代の真っ只中を生きてきた筈だが実感は少ない。

 20年前、例えば飲食業なんかは今より元気だった気がする(※個人の感想です)。なんか貯金出来ましたよ。SNSがない分緩かったのかもしれない。今の方がしんどそうだ。

 あとね、これはちょっと見落とされ気味なんだけどバブルの残滓がまだあった。いまより金持ってたんじゃないかな。で、今貯蓄出来てない世代がおっさんになって、本来カネを使うメイン層になってるという悲劇よ。20年前にあった「おこぼれ」がない。実際2010年前後に職場のユニフォームとかがしょぼくなった。グレードダウンした。寅壱だった作業着がわけわかんないメーカーになったり、エプロンがぺらっぺらになったりした。ゼロ年代はまだカネが市井に残ってた。だからこの時代になにか対策すべきだったんだろうなとも思う。

 自分が結婚していて子供もいて戸建買って、なんていう感じなんでロスジェネの悲壮を感じていない。かといって勝ち組になったという気もしない。同級生が海外やら離島にバンバン行ってるのを見ているとむしろ負けたと思う。貯蓄もできていない割に金遣いが荒い。だからSNSでのロスジェネを被害者にする言説も自己責任論も同じくらい違和感を感じている。

 とか書いているうちになんだか不安になってきた。大きな病気でもしたら仕事無くなったりして。キャリア積めてるかというとかなり怪しいし。え、今の仕事ダメになったらどうしよ。起業する甲斐性もないし。など。

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