2023年7月24日月曜日

資本主義という名の病(なんてかっこいいタイトル)

 中古車販売店が問題になっています。

ビッグモーターが行った保険金請求不正の手口は、まさに驚くべきものだった。顧客から預かった修理車に対して、保険金請求金額を水増しするためにさらに故意に傷を付ける。修理箇所の傷等を同様に故意に大きなものとする。/その手口は書類の改ざんなどではなく、顧客の財産である車両に対して実際に傷を付けていた。すなわち器物損壊に当たるという刑事案件そのものだった(ビッグモーター問題、「不正車検」「保険金不正請求」を混同してはいけない! 刑事告発も時間の問題 ゆえに冷静さが必要だ)

 そんなことより未払いの残業代を調べてごらんなさい。これを書いている時点でそれが問題視されないのがおかしいです。という時点で件の販売店も私たちも同じ病に冒されています。ちょっとのサビ残は当然なんですよ、我々にとって。

 私は過去にGSでバイトしてました。エンジンオイルのチェックはごく普通にやってました。問題なければ「まだ大丈夫っすねー」と。それで全く問題ないんですよ。

 私が特に問題視しているのは「前年比」です。内需の規模が大きい、で、人口が減っているという我が国において前年比プラスなんて無理です。とかいうと努力が足りないからとか経営をわかっていないとか言われますが、私から言わせれば前年比以外の評価基準を持たないほうがよっぽど努力不足です。

 たしかコロナによってサプライチェーンに綻びが生じて半導体など部品の供給が滞っていたはず。それによって新車の納期が遅れに遅れて中古車の需要が高まっていました。で、このタイミングで問題のリーク...ということはおそらく供給網が回復しつつあり、新車の納期にある程度の目処が着いた。で、ここ2年の売上を下回り始めたと、まあそんなとこでしょう。何も調べてませんけど。今回の不正の発覚とはつまり、前年割れによるヒステリーが限界に達した悲鳴なんです。

 世界的な感染症拡大による供給網の破綻を勘定に入れられないのが前年比。感染症の評価の仕方がそもそもない。て考えると前年比って使えない数字です。

 で、オイル交換で汚いオイル付けて客に見せたり、エアコンのフィルターもゴミがついたの見せたり、そういうレベルのことはもともとやってたんでしょうけど、前年比ヒステリーによってそれがエスカレートしてあるレベルを超えたため不正が発覚したんだと思います。100台に一回くらいやってた不正が7-8台に一回になったとかそんな感じでしょ。

 おかしなことになってるのはわかっているのに止められない。この、「止められない」が資本主義の宿痾といえますねぇ。客の車をヘコませよう、と思う三段階前くらいで立ち止まるのが普通です。二段階前でリークするし一段階前でそんな会社辞めますから。

 やばいな、と思ったら立ち止まる。止まっている間は儲からないけど、損するよりよっぽどマシです。そんなこともわからないんだから、もう病気ですよ。

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