2024年2月7日水曜日

ミッドナイトカー

深夜に目が覚めて寝付けず、少しクルマを走らせようかと思いつきました。

3:00前、交通量が極端に減った国道を緩く走ります。楽しい。なるべく普段使わない道を選ぶべきか、見慣れた風景が異なるのを楽しむべきか迷うところです。

深夜の静けさを味わいながら「ひと仕事終えた男の帰途」という設定で行こうと思いつきました。こういうところが幼い。

この時間に終えてクルマで帰るとなると、どんな仕事だ? ヤバい仕事とかはかっこいいけど気分じゃないです。...拳銃の密輸とかかな。

...ハイウェイの灯りを後方に追い流しながら進む。疲れはあるが眠くはない。次々に追い越されるが気にしない。彼らはこれから仕事なのかもしれない。私は帰るだけだし、急ぐ理由もない。

ラジオは70年前のヒット曲を流している。知っている曲はひとつもないがどれも朗らかだ。きっと悲しい曲もあったろうが、流行歌はみな明るいものだったのかもしれない。音楽産業の肥大化とともに音楽はより親密になり様々な感情が描かれ、支持されたのだろう。怒りや悲しみを音楽に解き放つことは良かったのだろうか。救われた者もいたろうが、ネガティブな感情は撒き散らして良いという誤解も産んだ。

知ってる曲が流れないのも心地が良い。ほどよく退屈が紛れるし、ほどよく聞き流せる。

県道には私以外いない。滑るようにクルマは進む。コーヒーをすする。仕事のことが思い出される。記憶が脳裏に再生されるがそこに感情が入り込むことはない。あれがどうなろうと知ったこっちゃない、客のお気に召すままだ。好きにすればいい。

深夜の孤独な道は私を吸い込んでしまいそうだ。全く知らない場所に出くわしてしまうのではないか、いやそれもいいかもしれない。

くだらない妄想はよく知る看板が目に入って終わる。帰ってるんだから家に近づいていくのは当然だ。

帰ったらシャワーを浴びよう。寒いから湯船に浸かるか。けどそれは面倒だ。じきに夜が明ける。ビールを飲んで寝よう。あとは起きてから考えよう。

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