レコードを買うのをやめようと思う。
今日も淵野辺のディスクユニオンが来月にも閉店するというので、野次馬というわけではないが自動車を走らせた。最近は携帯電話のナビ機能の質の良さにたまげているのだが、今回もわざと道を逸れながら新たな道を通った。
ちょっと見に行くつもりが結局プラスティックマンのLPやら同じく“Spastik”のシングルを買ってしまった。おかげで嫁の誕生日を祝うケーキが買えなくなるところだった。すまないと思う。
レコードを買うのをストップさせるのは以前にも試したことがあったがいずれも失敗している。が、最近は少し度を超してしまっている状態が続いているような気がする。ダイエットで言えばダイエットをやめることが出来なくてリバウンドを繰り返し、いまやベッドから起きることもままならない状態だと思う。
ダイエットというのがひとつヒントになった。岡田斗司夫の『いつデブ』を読んだからだと憶う。以前自分に課そうとしたのは絶食だ。これでは続くわけがない。自分の財布に見合った、そして満足のいくレコードショッピン’。これを目指す。急に断てないのだ、なんせ予約までしてしまっているものだから。
また、苦行と思わず楽しむために、私が密かに暖めている「プチ旅情」と組み合わせる。プチ旅情とは、いずれ詳細を書きたいが、要は「現実から非現実へ向かう陶酔を楽しむ」「行きて帰りし物語」である(今のところ)。日常を捉え直すことでそこに旅行先での一コマのような楽しみを抽出して悦に浸るという荘厳にしてみみっちい思考作業である(たぶん)。
今回採用するのは「期間限定ヴァーチャルご隠居」だ。ひと月くらいの間、私はレコードを買い漁る現場から足を洗う。仕事柄音楽情報だけは無料で手に入るのでそれを楽しむことにする。おそらく仕事が捗ってしまう。今でさえ聞くことが出来ないレコードを買い続けている合間に仕事用の音資料を聞いているのだ。 レコードを聴く時間がまるまる音資料を聞く時間になってしまう。
また音資料で得た知識から新たに買うレコードを定めたりするのだが、その知識を存分に貯め込むことが出来る。インプットの期間だ。そう考えるとインプットのように思われるレコード購入がわりとアウトプットな作業だったりしてくる(浪費によるストレス解消の役もになっていたのだ)。
このとき大事なのはご隠居マインドだ。どれどれ最近はどんな音楽がなっているのかいという余裕をかまして音を聞く。 毎日そうした音資料が無料で届けられるのだから、大した身分である。まるで若い衆が私に意見を求めてきているようではないか。これはご隠居マインドで聞くのに都合が良い。
まるっきりレコードを買わないかというとそのつもりはさらさらない。まずは予約商品の入荷。この時は「一万円で送料が無料」などとけちくさいことを考えて出費総額を増やすのはやめて、即発送を依頼することにする。それから友人にレコードでも買いに行かないかと誘われた時。職場の同僚から誘われたりするのだ。その時は嬉々としてレコード屋に行くつもりだ。
またこのタイミングでレコーディングダイエットを家計簿にも応用しておきたい。財布のひもをしぼって、自分の出費を見直そうと思う。
また隠居と言えば間もなく死ぬ身であるから、身辺整理もするだろう。買ったまま聴かれていないレコードがあっては死ぬに死ねないし、レコードの生き霊にとり憑かれてしまう。こちらのブログがにぎやかになれば良いが、うまく行くだろうか。
新譜チェックをすると絶対買ってしまうのでなるべく避けたいが、「フィジカルフォーマットを獲得することなく音楽生活を楽しめるか」というのはやや興味があるので控えめに行っていく。新譜買い生活をやめたとき、私は現在のシーンについていけるのか、それとも何段階か後退したフォロワーになるのかそれが楽しみでもある。
ここでもご隠居マインドを採用して「きゃつは今後芽が出てくるぞ」とほくそ笑みながらネットをチェックしたい。ご隠居だから手を下さない(=買わない)。
はてさて。ハーヴィのプレイを見た翌週とか、耐えられるだろうか。
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