完全無欠のエンターテインメントであり、峻厳なプロフェッショナル意識が貫かれたアートでもある。などと書くといかめしく、むしろ「お、カルトなレコードか!?」と期待させてしまうかもしれませんが、真逆です。楽しい音楽がひたすら流れている。
以前Facebookにて教えていただいたTHE ANDREWS SISTERS。正確に言うと妙ちくりんなガールズコーラスグループの動画をシェアした際にいただいたコメントにてその名前を知りました。
↑ちなみこれがシェアした動画。途中の踊りから、ヤバい。THE ANDREWS SISTERSではありません。
(Audio-Visual Trivia)
第二次大戦中、戦地の兵士たちを慰問する公演にて人気を博した三姉妹によるコーラスグループです。実際に人気が爆発したのは戦後、1950-1960年代のようです(上記サイトより)。
こちらの冒頭に収録されている"BOOGIE WOOGIE BUGLE BOY"は10年ほど前に聴いていた記憶があります。戦前-戦後のポップスをコンパイルしたアルバムに収録されておりました。タイトルが思い出せません。"CHINESE YODEL(このタイトルもうろ覚え)"など、当時は娯楽として成立していたのに時を経て狂気が滲み出てきたような素敵な楽曲も収録されていたので、Kくん、タイトル教えてください(余談&私信)。
さて、冒頭に長子こいたことを書きました。このアルバムから彼女たちのアイデンティティというか、"人間らしさ"というのが見えてこないんですね。
もちろん良い意味で、です。
"ヤンキー〜♪"くらいしか聞き取れなかったので実際の歌詞は知りませんが、おそらく彼女たちの苦悩が描かれているということはないと思います。とかく陰鬱な感情であったり、政治状況であったり、ポストインターネット・アートにおける過剰な並列化であったりを描くことを"真実味がある"と思い込んでいる僕にとって、この曲たちは危なっかしいまでに楽しいです。
真実味を演出するような表現(叫び、過剰なアンプリファイ etc.)はここにありません。無垢や純粋という表現が正しいかはわかりませんが、スイングジャズやブルース、カリプソをバックに元気に歌うその音が目指しているのは楽しくなることのみ!ではなかろうかと思います。
僕たちが普段使う"アート"という言葉とは距離がありそうですが、完全なポップスを目指す姿はアートと呼ぶにふさわしかろうと思います。
何度でも書きますが、もう音が楽しそうです。いいなぁ。
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