今日は待望の『タイムスクープハンター』新シーズン!
今回は戦国時代の戦争で"法螺貝"を吹く<貝役>についてです。相変わらず、目の付け所がシャープっす。
法螺貝の音によって各部隊に進軍等の指示を出す。これまでも突撃の際に法螺貝を吹き鳴らす描写というのを映画やドラマで見たことがありましたが、法螺貝にこんな重要な役割があるとは思いもしませんでした。てっきり景気付けに鳴らしているのだと思っていました。
よく考えれば当然で部隊が大きくなればなるほど本陣の指示を前線に出すのに時間がかってしまいます。
(だからグスタフ・アドルフとか総大将が前線まで行くというのは単に勇気を示して士気を上げるだけでなく、前線で直接指示を与えるという非常に合理的な方法でもあるのですね)
まして戦で勝利するためには各部隊の連携を密にするのは不可欠です。そこで法螺貝が必要になってきます。
また、法螺貝を吹く専門の役があるなどとは全く想像していませんでした。小五で『斬Ⅱスピリッツ』に出会って幾星霜、いっぱしの戦国ファンを自負しておりましたが返上したい(どこに)気分です。
今回はいつにも増して感心して見ましたが、それは「よく考えれば当たり前のことに全く気付かなかった、考えたこともなかった自分に気付いた」点が大きいです。
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ストーリーは行平某の軍の貝役が奇襲により戦死することから始まる。冒頭いきなり矢でトスッ、でした。
一時的に反撃を計画するもそれには法螺貝を吹ける人材が不可欠です。そこで行平は法螺貝の名手と言われる山伏に目を付けます。
当時、各地の山を巡って修行していた山伏たちは地理に明るく密偵など任務を命じられることが、ままあったそうです。貝役として利用されることもあったようです。
行平軍の使いが名手を見つけるも協力を拒まれてしまいます。戦争に加担はしないよということですね。法螺貝はもともと煩悩を取り去る法具らしいですし。
断った途端、行平軍の使いが山伏の連れの者(弟子)を斬殺します(死体にモザイクが入ると逆にリアリティが増すという演出)。協力しなければ残った一人も斬り捨てると脅し、山伏は協力させられます。実際、協力を拒んだ山伏が殺されるという事案もあったそうです。まさにイカれた時代です(Welcome to this crazy time)。
敵に法螺貝を使ったサインが見破られていると見た行平軍はサインを作り直します。低音と高音、揺らぎなどの鳴らし方の組み合わせでどの部隊がどう動くかというサインを決めます。
そしてハイライト、夜戦であります!
本陣からは状況を見ることが出来ない夜にあって、法螺貝の音で指示を出し、指示を出した部隊から返ってくる法螺貝の音色で戦況を予測して次の指示をまた法螺貝で出す。なるほど夜戦とはこのようにやっていたかとこの辺りは膝を叩きまくりでした。
戦勝を告げる法螺貝の音を聴き、本隊は攻めていた城へと近付く。しかしそれは敵方の罠でした。
詳細は描かれていません(なんせタイムスクープハンター目線だから遠くの状況は把握できない)が、敵方は行平軍を撃退しかつ法螺貝のサインを聞き出し、それを利用して負けたように装って本隊を誘きだして迎撃、ということでしょう。
ちなみに協力を強要された山伏は騙し討ちの最中に別に法螺貝の音を聴き、音の方へと向かいます。生き残った山伏が仲間を連れて助けに来たのでした。法螺貝を鳴らしたのは別の大部隊が来たと思わせるためだったのです。夜ならではの方法です。
たぶんこの文章では伝わらないが、夜戦のスリリングな展開がひしひしと伝わってきた。
本陣で法螺貝を吹く
↓
第一部隊が西から城に攻め入る
↓
第一部隊から法螺貝による返信
(進撃開始したよとかそんなん)
↓
本陣より法螺貝、
第二部隊の攻撃を指示
↓
第二部隊が北から攻め入る
↓
第二部隊からの返信、
本陣は第二部隊の劣勢を知る
↓
本陣より法螺貝、
第二部隊の一時撤退と第三部隊による攻撃を指示
↓
合間に第一部隊の劣勢の報(もちろん法螺貝)
↓
本陣、第二部隊の再攻撃を指示
↓
落城の報(これが敵方のフェイク)
↓
本陣より本隊が城へ接近
↓
城から一斉攻撃を受ける
詳細が微妙に異なりそうですがおおよそこんな感じです。これが戦況を目で確認することの出来ない夜に法螺貝の音を頼りに行われているのですよ。
なるほどなるほど。戦国時代の戦闘の様子がよりリアルになりました。
そして伝令や兵站など直接的な戦闘以外の部分って大切だなと改めて感じました。
小学生並みの感想で今回は締める。ちなみにNHKの時代考証の人が考証事典みたいなかたちで本を出してます。これがべらぼうに面白いので読んでみるのも良いと思います。
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