『BLACK LAGOON』を読んでいて、たまーに酒の固有名詞が出て来まして、それを知ってる者にとってはそこで味が口を広がるわけです。今回は<OLD OVER HOLT>、ライ・ウィスキーです。
このシーン。 |
はい。ここまで余談。
こちらには前段がありまして、どうもエイフェックスにはテストプレスされたままの状態になっている音源がある、ということまでは1999年の段階でわかっていたと。んで、いまになってそれが出品されたという話です。
詳しくは下記にて。クラウドファンディングとか出てきてナウい話題になってます。価格は100万越え!? 景気のいい話ですな。
◆ファン必見! Aphex Twinの未発表アルバムがKickstarterで購入可能に!
そしてその音源がYOUTUBEに公開されたので、レヴューをかましてみました。
・15曲連続で再生されます
聴いてみて『TANGO 'N' VECTIF』に似ているなというのが最初の印象でした。また当初から「踊れないテクノ、あるいはブレインダンス」だったわけではなくて、むしろきわめてフロアフレンドリーなトラックを制作していたことがわかります。
まあ、この辺はたとえば『AMBIENT WORKS 85-92』などからでも窺い知ることが出来ますが。
そしてまた「他人の曲を聴くくらいだったら自分の曲を聴いている」というのはやはりジョークで(結構本気にしている人多いですよね)、当時の流行に敏感な、むしろ熱心なダンスミュージックリスナーだったということが時を経て聴くことでより明白になったと思います。
いっぽう「何かに似てるな」と思って記憶を辿ると思い出していたのは彼の別の曲だったということが何度かあり、オリジナリティは突出していたのだなということにも気付かされました。
以下、メモというか走り書きなレヴュー
詳しくは下記にて。クラウドファンディングとか出てきてナウい話題になってます。価格は100万越え!? 景気のいい話ですな。
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そしてその音源がYOUTUBEに公開されたので、レヴューをかましてみました。
・15曲連続で再生されます
聴いてみて『TANGO 'N' VECTIF』に似ているなというのが最初の印象でした。また当初から「踊れないテクノ、あるいはブレインダンス」だったわけではなくて、むしろきわめてフロアフレンドリーなトラックを制作していたことがわかります。
まあ、この辺はたとえば『AMBIENT WORKS 85-92』などからでも窺い知ることが出来ますが。
そしてまた「他人の曲を聴くくらいだったら自分の曲を聴いている」というのはやはりジョークで(結構本気にしている人多いですよね)、当時の流行に敏感な、むしろ熱心なダンスミュージックリスナーだったということが時を経て聴くことでより明白になったと思います。
いっぽう「何かに似てるな」と思って記憶を辿ると思い出していたのは彼の別の曲だったということが何度かあり、オリジナリティは突出していたのだなということにも気付かされました。
以下、メモというか走り書きなレヴュー
"Flutey"浮遊感のあるメロディを描くが音色そのものはアシッドハウス~初期レイヴ。エイフェックス名義とは似て異なる毒々しいスイートネス。
"Stomper 101mod Detunekik"アーリー90sを感じさせるレイヴィテクノ。いわゆるハードテクノの系譜に連なる作品。
"Mumbly"珍しくボイスサンプルから入る。派手めなシンセが意外っちゃ意外か。マイク・パラディナスっぽい。Beat Disとかその辺のサンプリング、ブレイクビーツハウスを意識した印象。耽美なメロディとロウなビートの組み合わせが後の作品を連想させる。
"Popeye"可愛らしいメロディとバウンシーなベースが特徴のテクノ~ドラムントラック。短いっす。
"Fingertrips"思わせぶりでミステリアスなメロディのループとジャンクな音から組み立てられたようなビート、硬質な高音が耳につく。面白い。シンセストリングスの具合がボーズオブカナダっぽい。ともすればオーケストラルな印象のある、荘厳さを演出するようなメロディはこの時期から既にあるようだ。
"Revpok"メカニカル(照)なSEがファットなビートの上で反響するような。"ディジェリドゥ"もそうだけどビートはまだストレートな感じだ。キックは普通に走らせてそれ以外でやんちゃする、という感じ。ということはまだDJツールであることを念頭に置いていたのだろうか。のちのブレイクコアの萌芽も感じられて興味深い(スネアとか)。
"Afx Tribal kik"タイトルとおりの1分ほどの小品。パーカッションと歪みすぎて割れたキックのみだがえらいかっこいい。
"Airflow"チープな音色で取ってつけたようなメロディ。そして過剰に強調されたキック。なんとも「目指すところのわからない」曲ではあるけど、モノホンのレイヴ現場はこんな気分だったのかもしれない。元祖・ロウハウス(多分テクノだけど)。
"Squidge In The Fridge"叙情的なピアノリフとアシッドベース、そこから次第に浮かび上がってくる霞みがかった幽玄なメロディ。ピアノリフのソロというブレイクがばっちりあるのが、なんだか彼の作品としては意外。こんな新譜があったら多分買ってる。
"Fingry"リヴァーヴのかかったキックが凄みのある"ストレートな"アシッドテクノ。綺麗なメロディが泣かせる。毒っ気と爽快感。
"Jazzphase"エレピが意外。それでJazz~としているんだろうけれど。シャッフルビートと二通りの鍵盤のエレガントな進行がエレガント。ブニブニなアシッドベースも印象的。全体的にシンプルな感じを受ける。多分余技。
"101 Rainbows (Ambient Mix)"ワクワクさせるような、美しいキーボードのアルペジオ。クラウトロックっぽい、と考えるとものすごい先見の明。そして(予想通り)優秀な音楽リスナーであることの証左か。アンビエントっつうことでビートレス。だけど起伏に富んだドラマチックなサウンドスケープ。これ欲しいわ。
"Phlaps"ドシャメシャノイズブレイクビーツ。ジャンク。
"Cunt"ま!なんてタイトル。ケミカル臭しかしない極上極悪アシッドテクノ。なぜか楽しげに聞こえるのはガバ~ハッピーハードコアの青写真ということなのかもしれない。ウニウニビヨビヨ。
"Phone Pranks"国内盤『シングルス』にこんなんあったなー、などと思い出すアウトトラック。英語がわかるとなんか面白いかもしれません。
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