2015年12月7日月曜日

BIG TWO HUNDRED 『YOUR PERSONAL FILTH』

"ディスコ・ダブというタームで考えれば、チキン・リップス本隊よりも、タイミング的にも、むしろこの別名義のアルバム(02年)の影響は大きいような。ディスコというよりも、むしろロック的というか、ニューウェイヴ・ファンク/ダブのダイナミズムを、ダビーなハウスのフォーマットにまき散らした、デカダンで荒々しいディスコ。"(『STUDIO VOICE』VOL.366より)

 ということでディスコ・ダブ→オルタナティヴ・ディスコのサウンドイメージにおいて大きな影響を及ぼしたであろう、ビッグ200(BIG TWO HUNDRED)の、多分唯一のアルバムです。
なんかジャケがパンクバンドのシングルみたいです。

 引用にも登場しますがこちらもオルタナティヴ・ディスコ界隈では重鎮であるチキン・リップス(CHICKEN LIPS)のメンバーがやっているユニットです。スティーヴ・コティ(STEVE KOTEY)が不参加、っつうかビザール・インク組っつうか。

 ベースを凶暴に強調したポストパンクマナーなディスコサウンドがカッコいいです。ディレイかましたギターと逞しいベースが絡む冒頭"UK DECAY"からロックテイスト全開! 曰く「ディスコというよりも、むしろロック的」なわけです。コンクとポップグループがジョイントしたら、などと言っては褒めすぎでしょうか。

 このアルバムで大事な点はA3"DOORSTEP DISCOVERY"でシルバー・アップルズ(SILVER APPLES)の"LOVEFINGERS"を、B2"KOG"でミヒャエル・ブント(MICHAEL BUNDT)の"THE BRAIN OF OSKAR PANIZZA" を引用している点です。
 あの、カバーじゃないんだけど誰が聞いても一発で「シルバー・アップルズじゃん」てわかるくらいの引用のことって、パクリ以外でなんて言ったら収まりがいいんですかね?

 "LOVEFINGERS"も"THE BRAIN〜"も、ともにDJハーヴィ、ピルースキがリエディットをするなどバレアリックの古典と呼べる名曲たちです。それらをここで援用するということはBIG TWO HUNDREDはどこから来たのか、そしてシーンは何を引用してくべきかを指し示しているのではないか、と思います

 時代はエレクトロクラッシュ。80Sサウンドをいかに切り取るかがトレンドのキモでした。ビッグ200はサイケデリックロックとエレクトロニクスをポストパンクで啓蒙したわけです! 戦闘的ファンクネス。

 しかしここまでがっつりパ○っているとなると他の曲も元ネタがあるのかもしれません。うむむ!

 瀧見さんがミックスでフックアップした"DRUM SPELL"もドラムセッションながらぶっ飛んでいます。
 グレイト。

 何だかYOUTUBEリンクがどれも見れないです。残念。

http://www.rushproduction.net/artist/chickenlips.html
わかりやすいチキンリップスの紹介です。

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