2014年4月13日日曜日

TODD TERJE 「TTJ EDITS #889」

 2014年の上半期の注目リリースのひとつ『IT'S ALBUM TIME』も控えるトッド・テリエ(TODD TERJE)。彼の魅力はまずもって確かな知識とユーモアを感じるチョイスが光るリエディット作品にあります。

 これまでも数多くのリエディット、リミックス作品を残しております。しかしリエディット作品の多くが著作権上の問題を抱えています。グレーゾーンというやつですな。
 著作権上の問題といってもそれがきっかけで自身のアルバムにブライアン・フェリー(BRYAN FERRY)を呼ぶことが出来ているのですから、"問題"ってそもそも何よ、という気もします。

 オリジナル作は"EURODANS"以降数年間リリースがなく(あんのかな?)、それ故にディスコリバイバルのファン以外は「名前は聴くけどようわからん、得体が知れない」という印象が強いかもしれません。数年前の来日時でもフロアは閑散としていました。
 それもここ2年くらいのシングルのヒットと来るアルバムリリースで状況は大きく変わるのでしょう。いやもう変わっているらしいです(新作国内仕様のライナーより)。そういえばリキッド・ロフトでDJをやってたのはドクターでした。

かわいい。

 "TTJ EDITS"シリーズの現在最新作です。彼はトッド・テリエ名義以外にもタンゴテリエ(TANGOTERJE)の名でもリリースしておりその名義でもナイスリエディットをリリースしています。

 ホワイト盤でのリリース、リプレスもあり彼のリエディットワークを正確に把握することは(僕にとって)困難ですが、今回収録の曲はいずれもこれが初出ではありません。と、思います。

 "DIAMONDS"はポール・サイモン(PAUL SIMON)の"DIAMONDS ON THE SOLES OF HER SHOES"が原典でございます。
 原曲の雰囲気をほぼそのまま残したトロピカルムード満点のミッドチューン。随所に差し込まれるリヴァーブ処理が甘い幻想を演出しております。

"DIAMONDS"
ちなみに、1986年リリースの『GRACELAND』に収録されています。この曲もまた<バレアリック古典>とされる曲で、そういうことを聞くとバレアリックに関わる者の業の深さのようなもを感じ戦慄を禁じ得ません。
「こんなのまで聴いているのか!」

 A2"HIGH LIGHT"はバラバス(BARRABAS)の1975年(1976?)リリースのアルバム『WATCH OUT』収録のHIGH LIGHT、それの"TODD TERJE REKUTT"バージョンです。バラバスは"WOMAN"や"MELLOW BLOW"などのクラシックが多数ある、その道ではおなじみの存在ですね。

"HIGH LIGHT TODD TERJE REKUTT"
こちらも原曲を活かした内容です。

 B面はロキシー・ミュージック(ROXY MUSIC)のブライアン・フェリーの"DON'T STOP THE DANCE"のリミックス。こちらは一瞬原曲の様子がわからないようなテクノ〜ミニマルハウスに仕立てた一品。寄せる波のようなシンセアルペジオで引っ張る端正なリミックスで、上品な昂揚感が堪能できます。効き馴染みのある「DON'T STOP...」のフレーズが効果的に配置されていることも見逃せませんぞ。
 このリミックスはディスコのみならずテクノ方面でのリミックスも可能です。最近の12"がテクノファンからも賞賛されている彼の優れたお仕事でございます。

ブライアン・フェリーが「Don't Stop The Dance」のリミックスEPを10月発売、全曲フル試聴可
(amass)
"DON’T STOP THE DANCE (TODD TERJE REMIX)"

こちらは原曲も。この曲です。CMにも使われていたそうです。

 この他にもたくさんのリエディット仕事をしている。いやほんと、若いのに音楽知ってますわ。

"Todd Terje - Greatest Remixes Pt 1 (Compilation)"
グッドなお仕事はこちらでチェック。冒頭ホセ・ゴンザレス(JOSE GONZALEZ)のリミックスは金字塔と呼ぶにふさわしい傑作!

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