・ポスト・エレクトロニカとは?
これは個人的な見解が多く含まれますが「エレクトロニカがフロアに回帰する動き」と言えます。
ダンスミュージックとしてスタートしたテクノがフロアでの機能性から解放されたのがエレクトロニカの意義だと言えます。ブレインダンス、などと言ったりしますが。
まずは可愛らしいイントロに持ってかれる"STOP"を
別に踊れなくてもいいんじゃない、という気づきによってイーブンキック、BPMから自由になってテクノを鳴らす。そういう中でフォークサウンドやワールドミュージックの要素、メディテーションを吸収していったのがエレクトロニカの発展に寄与したんじゃないかな、と思います。
そうして豊かに成長したエレクトロニカサウンドを再びダンスフロアで鳴らそうというのがポスト・エレクトロニカであります。正直、俺解釈。
この動きからフォーテット(FOUR TET)の名作『THERE IS LOVE IN YOU』が生まれたと。
DJ KOZE、ハンブルグを拠点とするレーベル[DIAL]、あるいはEFDEMINとかその辺り、2010年前後のエレクトロニックミュージックの一つのキーワードだったと思います。それらのプロトタイプが本作です。
ここにはguitarの切り開いた"エレクトロニカxシューゲイザー"の快楽も潜んでいます。潜むどころかおおっぴらですが笑。guitarは、ここ数年語られることがなくなりましたが非常に重要な存在です。
リリース元の[BORDER COMMUNITY]主宰、ジェイムス・ホールデンもプログレッシヴハウスと言われながらそれに収まらない野心的な作品をリリースしています。レーベルの方向性もテクノ、プログレッシヴハウスから飛び出そうとしていたんでしょう。
・名作。なぜなら"YOU ARE HERE"が入っているから
シューゲイザーの陶酔とエレクトロニカの箱庭的な可愛らしさ、フロアでの機能性を標榜した早すぎる名作ということができるでしょう。優美な"YOU ARE HERE"、この曲が重要なのはポスト・エレクトロニカを代表するフォーテットによるリミックスを誕生させた点にあるんです!
まずはオリジナル。
そして↓フォーテットリミックス
3拍子の曲を見事に四つ打ちに改変しやがってよぉ...
リミックスを使用しているミックスというとサシャ・フンケ(SASCHA FUNKE)の『WATERGATE 02』が個人的には印象深いです。これを冒頭に持ってきたらあとはどうなってもいいです。佳作。
アニコレのバレアリック感前回の"SUMMER GIRL"も収録されたジェイムス・ラベル(JAMES LAVELLE)『GU:37』。こちらもなかなか。
紹介した曲以外にもシューゲイザーテイストの曲が多く、耽美かつ愛らしい作品でございます。リリースから10年以上経っちゃったし、改めて紹介してみました。
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