2014年4月18日金曜日

MUNGOLIAN JET SET "NAVIGATOR"

B面は音飛びが激しかったので割愛(泣)


 先日、新曲"FRISCO SPEEDHALL"を発表し、リリースが待ち遠しいマンゴリアン・ジェット・セット(MUNGOLIAN JET SET)。
 待ちきれない感を出しつつ2006年にリリースされた12"をちんたらご紹介いたします。

 2006年にブッゲ・ヴェッセルトフト(BUGGE WESSELTOFT)主宰の[JAZZLAND]よりリリースされたアルバム『BEAUTY CAME US IN STONE』からカットされたシングルです。B面もアルバム収録の"TECHNON THAI"です。

 その前にマンゴ…誰よ?という向きもあろうかと思います。僕もそうです。ということでさらっとご紹介します。

 ◇ポール・'ストレンジフルーツ'・ナイアス(PÅL 'STRANGEFRUIT' NYHUS)とクヌート・セヴィーク(KNUT SÆVIK)の2人組。
以下、クラベリアから引用(速攻で調べるの諦めた)
・引用元
http://www.clubberia.com/ja/artists/2270-Mungolian-Jetset/
http://www.clubberia.com/ja/interviews/289-Mungolian-Jetset/ 2009年来日時のインタヴュー。

 DJストレンジフルーツのほうは90年代初期のレイヴカルチャーに影響を受け、クヌート・セヴィークはスタジオ・エンジニアとしてキャリアをスタートさせています。ストレンジフルーツはプリンス・トーマス(PRINS THOMAS)にDJを教えたそうで、ノルウェイジアン・ディスコのゴッドファーザー的な存在といえそうです。実際、現場でどう思われているかは知りませんが(来日時は汗びっしょりでディスクヨッケに引かれてた)

 アルツ(ALTZ)のリミックスでそのモダーンなセンスは遺憾なく発揮されてましたが、実際にスパークしたのは2010年に[SMALLTOWN SUPERSOUND]からリリースされた"MOON JOCKS N PROG ROCKS"かと思います。サイケデリック・ディスコ・ファンクとでも申しましょうか、かのデヴィッド・マンキューソ(DAVID MANCUSO)がプレイしたことで大きな話題となり僕もファーストプレスは買い損ねました。悔しくてセカンドプレスは2枚買いました。気は晴れなかったです。

"MOON JOCKS N PROG ROCKS"
サイコーっす。

 ディスコグラフィを見る限りそこまで多作には見えませんが、リミックスやコラボレーションなどがあり、実際にはもう少し作品が出ているような気もします。

 話を"NAVIGATOR"に戻します。「WRITTEN BY : RUPERT HINE/DAVID MACIVER/TREVOR MORAIS/JOHN PERRY MARK WARNER.」とあり、次の行には「PUBLISHED BY : CHRYSALIS MUSIC LIMITED (C) 1979.」とあります。検索してみるとQUANTUM JUMPの"CAPTAIN BOOGALOO"と"THE LONE RANGER"のヴォーカルをサンプリングしていました。
 なんだかマメね、と思いましたが(助かりますが)、流通がユニバーサル・ノルウェイなので「その辺クリアにしとけや」というお達しがあったかもしれません。

貼れる音なし。すまん。
 ベースのフレーズ、犬の声(?)、男の声や様々な音の断片を織り交ぜたスペーシーなイントロから、腰の強い土着的でファンキーなパーカッションに粘り気のあるベースのループでぐいんぐいんドライヴ!エレクトロニカ的なノイズや先に上げた"THE LONE RANGER"の民俗音楽っぽいスキャット、"CAPTAIN BOOGALOO"のコーラスが巧みに配置されたこれぞMUNG流ギャラクティックディスコな曲構成。
 リンク先のインタヴューで「テイストの異なるサンプルをひとつの曲の中でまとめようとしている」と語っていますが、SF系トバしSEやパーカッション、ボイスサンプルなど異物がそれぞれに作用してグルーヴになっていくスリルがたまらんちんです。

 中盤に効果的に、そして終盤は独壇場になる豪快かつ流麗なピアノでクライマックスを迎えます。このピアノもまたこれまでの展開からしてみれば"異物"なはずなのですが差し込まれた瞬間のカタルシスと説得力に嘆息を禁じ得ません。ちなみにブッゲ・ヴェッセルトフトが弾いているそうです。

 僕が思うに、ほとんどの僕らの音楽は、様々なアイデアのミックス、チャレンジ、失敗、そして遊びの中から生まれてくるんだ。僕は誰かのレコードを聴いてアイデアが湧いてくることが多くて、それは誰か他人が作った音楽や何かを、僕なりに解釈したいっていうことなんだと思う。もちろん全部をコピーしようなんて気はさらさらなくて、その音楽の断片だったり、その音楽を聴いた時の感情だったりを使って、Mungorealize)したいのさ。 (※MungolianRealizeをかけたPaulの造語のようです。)」
(上述インタヴューより http://www.clubberia.com/ja/interviews/289-Mungolian-Jetset/ )

 この作品の後も独特のセンスがギラギラ輝いています。近年の作品はくっきりとしたサウンドですがこの時分のもごもごしたサイケデリックな雰囲気もまた素敵でなりません。個人的にはこっちのが好きです。

 申し訳ないのでサンプリングソースを貼って茶を濁します。
"THE LONE RANGER"

"CAPTAIN BOOGALOO"

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