ずっと気になっていたEURO BOYSのアルバム。「こらぁアナログ探すどころか日本に入荷したかも怪しいでぇ」と諦めていました。今年に入って思い出してカタカタ検索していたらわりとすぐ出てきました。
そんなもんだ、というよりどうして今まで検索できなかったのか不思議です。
彼らを知ったのはPRINS THOMASのミックス『LIVE AT ROBERT JOHNSON』でした。思い出したきっかけも久々にこれを聞いたから、というわけです。僕はこのミックスを爛熟期のディスコダブを象徴する名作ミックスだと思っています。
装丁はずいぶんしょぼいしトラックリストもレーベル面にしかないのでカーステで聞いていて気になる曲があってもタイトルをチェックできないが、名作です。
リリース当時職場の友人と話していて「やっぱ8曲目でもってかれるよなー!」と話していましたが、その曲こそEURO BOYSの"GALLERY OSLO"でした(ミックスアルバムでのクレジットはKARE & THE CAVEMAN名義)。
ある曲を聴いて、それが収録されているアルバムにまで期待が及ぶというのは、よくありそうで実はあまりありません(曲単位で購入できる現代では尚更です)。曲自体のパワーはもちろん、PRINS THOMASのブレンド技術も輝いております。
これを書いている時点ではアルバムのイントロしか聴けていません。後日感想を書きます。
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文庫版で買い続けていた『シグルイ』が第7巻を以って完結しました。圧倒的な筆致で狂おしく描かれた、まさに"残酷無残時代劇"。
にしてもラストの後味の悪さがまだ残っています。フィンチャーの『セヴン』くらい。いや、後味が悪いというよりは"噛み切れない"感じです。
この巻の前、藤木が失敗する仇討ちの場面は幻想も入り乱れる素晴らしいシーンでした。一回読んだだけでは何がどうなっているのかわからないくらい混沌としています。なんと言いますか、読み手に圧力がのしかかるような、本当に本を持つ手に力がギュゥゥゥッと入るような迫力がありました。
今巻では御前試合でついに宿敵を討ち果たすのですが、先の仇討ちの場面に比べて異常なまでにあっけない終わり方をします。宿敵との再戦が始まる前から破滅が始まっているかのようにポロポロと緊張感がこぼれ落ちていくかのように、さくさくと進行してしまいます。
御前試合が終わった後に本当の試練が待っているのですが、その試練を経た後にはもう何も残っていません。
そう、圧倒的な空虚が待っているのです(今、書きながらだんだん整理できてきた!)。最後の最後のページの、挿入された意味がよくわからない幸せそうなシーンの描写はもはや誰の夢想なのかも判然としません。
これは、何だろう。もう一回通して読んでみたい。
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