2014年5月29日木曜日

PRINS THOMAS 『PRINS THOMAS 3』

夕焼けとか撮影してしまうくらい暇です。
更新が滞りがちです。頑張ります。
3作目はぐっと落ち着いて雪の中。ちなみにCD付でございます。
今日はやっと届いたプリンストーマス(PRINS THOMAS)のアルバムです。あと書いていないのはファーストアルバムっすね。

 なんともタイトルがわかりやすい3作目です。

 これまでもサイケデリック・ロック、プログレをディスコフォーマットに落とし込むという手法を得意にしていた氏ですが、ぐっと振り切れた本作は現代版クラウトロックです。
 なんというかミヒャエル・ヘニッヒ(MICHAEL HOENIG)の作品にこんなのがありそう、といった風情のエレクトニック・ミュージックです。

RA: ニュース: Prins Thomasがニューアルバムを発表
・「大きなコンセプトや、これといったテーマや計画があるわけじゃない。スペースディスコではないけれど、スペースはたくさんある」
 こうしたコメント通り、力はいい具合に抜けた、そしてイマジナリーなエレクトロニックサウンドで彩られたアルバムです。

 A1"HANS MAJESTET"はファニーな雰囲気のベースライン。バルデッリのミックス『COSMIC DISCO? COSMIC ROCK!!!』収録の"SAY SOMETHING"にちょっと似ています。こちらはインストですが。
"HANS MAJESTET"
 レトロなシンセとギターサウンド。
後半は北欧カラーのメランコリックなメロディが登場~。

 A2ブレイクビーツなドラムとエキゾチックなメロディが絡むミステリアスなトラック。
 A3ハンドクラップとシンセアルペジオで押すリスニングトラック。

 A面はビートがあり、エレクトロファンクでブレイクビーツなわけですが、それらの音はダンスミュージックを指向していません。ここ、けっこうポイントです。

 B1"2000 LYSAR FRA MORELLVEIEN"はワウベースがサイケな香りを醸します。 ギターが絡み次第に音数は増えていきますが地味な展開です。長いけどインタールードな曲といえるかもしれません。派手に展開しない分、繋ぐときには重宝するかも(それは僕の腕前基準での話ですが)。ZERO SET IIのリエディットの雰囲気に近いですね。

"2000 LYSAR FRA MORELLVEIEN"
ねっとり脳に染み渡る感じよ。

 B3ゆったりサイケロック。ファズ&ディレイ。

 C1"LUFTSPEILING"が俺的ハイライトです。ノンビートですが強い説得力がある、美しい曲です。水の流れ、もしくは宇宙を思わせるシンセとリズムマシンで刻むアルペジオベースのループ。中盤に差し込まれるディレイのかかったギターがまたズバッと心に刺さります。タイミング、音色が絶妙です。恍惚トラック♡
"LUFTSPEILING"
長いけど聴いてみて〜


 C2"OASE"はC1の流れをくんだアンビエントトラック。電子音の湖上に漂う快感。

 D面でやっとダンスミュージックよりの曲が登場します。
 D1"TRANS"はマンゴリアンジェットセットの"TOCCATA"っぽいエモーショナルかつセンチメンタルなコズミックダンス。"スパスティックスネア"が登場。プラスティックマン"SPASTIK"のようなタカタカタカタカいうあれです。この言葉は流行んねえな(余談)
"TRANS"
プログレ風味のハウストラック。メロディアス。



 D2"LABYRINT"はディスコ化プログレ。ベースがうねるストレートな四つ打ちトラックがかっこいいです。
"LABYRINT"
ぐにぐにしたベースがワルくて素敵なオルタナディスコ

 D3はイタロディスコ。シャイニーなシンセ

 八王子SHeLTeRでリスニングセットをやったこともあり、ダンサブルだけではない彼の魅力がこの作品で見事に開陳されています。引き出しが多いですな〜。
 ディスコミュージックを通して世界中のサイケ音楽を啓蒙してきたプリンストーマスの、21世紀のコズミッシュ・ロックといえそうです。

PITCHFORKのレヴューは7.2点。
 良いのか悪いのか、微妙ーな点数です。まあでもCANの『OUT OF REACH』の約2倍ですから、世紀の名作という評価なのかも知れません。なんつって。全2作が6点台だったので高評価なのでしょうー。
 関係ないけどこんなんあった。後で観よう。んで買おう(照)。
Pitchforkが選ぶ最高評価10.0点をつけたアルバムメドレー
http://www.nicovideo.jp/watch/sm11361149

関連リンク
PRINS THOMAS 『PRINS THOMAS 2』

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